医療法人鈴成会 鈴木クリニック

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医療コラム

胃がん検診について

2025.02.22

  1. 胃がん検診と予防

胃がんは、日本におけるがん死亡原因の上位に位置し、特に50代以降から発症リスクが高まります。主な要因の一つとして、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)の持続感染が挙げられます。国立がん研究センターでは、胃がん予防のためにピロリ菌の検査と、感染が確認された場合の除菌を推奨しています。

近年、ピロリ菌感染率の低下により20〜40代の胃がんは減少傾向にありますが、依然として早期発見・早期治療が重要です。検診は症状がないうちに受けることが大切であり、以下のような症状がある場合は検診ではなく医療機関を受診してください。

  • 胃の痛みや不快感
  • 食欲不振
  • 食事がつかえる感じ

また、胃がん治療中の方は、検診の再開時期について主治医と相談してください。

ピロリ菌の除菌治療について

  • 除菌後も定期的な検査が必要です。
  • 人によっては皮膚症状や他の健康リスクがあるため、主治医と相談のうえで決定しましょう。
  1. 胃がん検診の方法

1)対象年齢と受診間隔

50歳以上の方は2年に1回の定期受診が推奨されています。検診には胃部X線検査または胃内視鏡検査のいずれかを選択します。

2)検診方法

(1)胃部X線検査(バリウム検査)

  • 発泡剤とバリウムを飲み、X線で胃の粘膜を観察します。
  • 便秘や腸閉塞のリスクがあるため、過去に問題があった方は事前に医師へ相談してください。
  • 検査当日は飲食が制限されます。

(2)胃内視鏡検査(胃カメラ)

  • 口または鼻から内視鏡を挿入し、胃の内部を直接観察します。
  • 検査時に疑わしい部分があれば、その場で組織を採取(鉗子生検)し、精密検査を行うことがあります。
  • 抗凝固剤を服用している方は受診できない場合があるため、事前に確認が必要です。

注意点 ペプシノゲン検査やピロリ菌抗体検査(ABC検査)は、科学的根拠が不十分であるため、胃がん検診としては推奨されていません

  1. 胃がん検診の結果と精密検査

1)検診の判定結果

(1)「がんの疑いなし」と判定された場合

  • 次回(2年後)の検診を受けてください。
  • 胃の痛みや不快感があれば、検診を待たずに医療機関を受診しましょう。

(2)「がんの疑いあり(要精密検査)」と判定された場合

  • 必ず精密検査を受けましょう。
  • 胃がんは無症状のことが多いため、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず、医師の指示に従ってください。

2)精密検査の方法

  • 胃部X線検査で異常が見つかった場合、通常は胃内視鏡検査を行います。
  • 必要に応じて組織を採取し、**病理診断(生検)**を実施します。

早期発見・治療により、胃がんの予後は大きく改善されます。定期的な検診を心がけましょう。

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