医療法人鈴成会 鈴木クリニック

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渋沢駅1分 
消化器内科・乳腺外科・外科・肛門外科・内科

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医療コラム

苦痛の少ない内視鏡検査への取り組み 2

2019.05.02

当院では『やさしい医療』の一環として以下のような内視鏡検査時の苦痛軽減に取り組んでおります。

1.内視鏡検査時間の短縮と的確な診断
2.内視鏡検査中の苦痛軽減
3.内視鏡検査前後の苦痛軽減

前回のコラムでは、1.内視鏡検査時間の短縮と的確な診断についての取り‎組みについてご紹介いました。
今回は、2.内視鏡検査中の苦痛軽減の取り組みについてご紹介したいと思います。

上部内視鏡検査の場合、基本的にはキシロカインを成分とした咽頭麻酔と胃や腸の動きを止めるブスコパンやグルカゴンといった鎮痙剤を使用し口からスコープを挿入する経口内視鏡を施行いたします。
当院で使用している経口内視鏡はGIF-H290ZとGIF-HQ290の2機種で先端の外径は、それぞれ9.9㎜と10.2㎜です。
以前の経口内視鏡よりかなり細径化されスムーズな挿入が可能です。生検など処置がなければ5分以内で検査が終了し、咽頭反射の強くない方や慣れている方には、経口の内視鏡検査をおすすめしております。
咽頭反射の強い方は、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した経口内視鏡検査を行っております。
経鼻内視鏡は、文字通り鼻から挿入し鼻腔を通過し咽頭に進みます。鼻腔から咽頭にかけほぼ直線的に向いますので舌の奥の反射の強い部分を圧迫せずあまり吐き気を感じずに検査が可能となります。
当院で使用している経鼻内視鏡はGIF-xp290Nで先端外径5.4㎜と極細径ながら高精細画像での観察が可能であり、鉗子孔も2.2㎜と広いため胃内の洗浄吸引も以前よりスムーズで経口内視鏡ほどではありませんが、内視鏡検査自体も短時間でできるようになりました。経鼻内視鏡ながらNBI観察も可能で、今までの経鼻内視鏡よりかなり高精細となったため、NBI近傍観察による粘膜模様の観察である程度の質的診断も可能になりました。
ただし、鼻腔が狭かったり、鼻粘膜に問題があり経鼻内視鏡が困難な方もいらっしゃいます。
以前の内視鏡検査がつらかった方で鎮静剤使用にあたっての注意を理解していただいた方には、鎮静剤を使用した内視鏡検査を施行いたします。
鎮静剤の副作用としては、主なものとしては呼吸抑制、低血圧、依存症、健忘などがあり、高齢者の方ほど副作用の頻度が高くなります。鎮静剤を使用した場合は、1-2時間は院内で休んでいただき薬の作用が弱まるのを待って帰宅していただきます。高齢の方には帰宅時の付き添いをお願いしております。
鎮静剤使用当日は、車、バイク、自転車などの運転および危険を伴う作業は避けていただきます。

大腸内視鏡検査の場合スコープ挿入時に大腸を圧迫したり牽引することが痛みとして感じられ検査中の苦痛の主な要因となっています。大腸になるべく圧迫が加わらないように大腸を手繰り寄せ直線化しながら挿入するのですが、直線化することにより痛みを感じる人もいます。大腸の形は一人一人様々であり、痛みを感じる場所も各々違いますので挿入形状を認識しながらスコープを進めることはより安全で苦痛の少ない検査を可能にします。
当院ではUPDという内視鏡挿入形状観測装置を使用し、苦痛の軽減に努めております。
大腸内視鏡検査の場合には、ほぼ全例に鎮痛剤、鎮静剤を使用しておりますが、ご希望により全く薬を使用せず検査を行う場合もあります。

内視鏡挿入形状観測装置「UPD-3」

大腸内視鏡検査時におけるもう一つの苦痛の原因としては、観察の際に大腸を膨らませることにより生ずる腹部膨満感です。当院では空気の代わりに吸収性に優れた二酸化炭素を使用し苦痛軽減に努めております。

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