肛門、便の悩み
Proctology
肛門と便の悩み
肛門や排便に関する悩みは、恥ずかしさから受診をためらう方が多く見られます。 しかし、これらの症状は適切な診断と治療によって大きく改善が期待できるものばかりです。 当院では、豊富な経験をもつ肛門科専門医が、最新の知見と丁寧な診療で、患者さま一人ひとりに合わせた治療を行っています。 ここでは、当院で多くご相談いただく代表的な症状と疾患についてご紹介します。
当院の診療方針
恥ずかしくない診療環境：プライバシーに配慮し、安心して受診できる体制を整えています。
丁寧な説明と個別対応：症状や生活スタイルに合わせて、無理のない治療計画をご提案します。
最新の医療設備：血液検査・内診・超音波検査・内視鏡検査などを行い、原因を正確に診断します。
肛門疾患（痔核・裂肛・痔ろう）
いぼ痔（内痔核・外痔核）
排便時の出血や脱出が特徴で、最も多い肛門疾患です。 便秘で強くいきむ、下痢を繰り返す、長時間座るなど、肛門に負担がかかることが主な原因です。 初期のうちは薬物療法で改善しますが、進行すると手術が必要になることもあります。
排便時の出血や脱出が特徴で、最も多い肛門疾患です。 便秘で強くいきむ、下痢を繰り返す、長時間座るなど、肛門に負担がかかることが主な原因です。 初期のうちは薬物療法で改善しますが、進行すると手術が必要になることもあります。
主な症状：排便時の出血、肛門のふくらみ・脱出、違和感
主な治療：坐薬・軟膏治療、硬化療法（ALTA注）、日帰り手術 肛門疾患
切れ痔（裂肛）
硬い便や下痢などにより、肛門の皮膚・粘膜が裂けて強い痛みや出血を伴う疾患です。 急性期では排便時の鋭い痛みが主症状ですが、繰り返すと慢性化し、肛門が狭くなることもあります。 便を柔らかく保ち、肛門を保護する治療を続けることが大切です。
・主な症状：排便時の強い痛み、出血、残便感
・主な治療：軟膏・便軟化剤、温浴療法、慢性例では外科的治療 肛門疾患
痔ろう
肛門の奥の腺に細菌が入り込み、膿がたまって皮膚にトンネル（瘻管）を形成する病気です。 発症時は強い痛みと発熱を伴い、自然に膿が出ても治ったわけではなく、瘻管が残ることが多いです。 放置すると再発を繰り返したり、まれにがん化することもあるため、根治手術が必要です。
・主な症状：肛門の腫れ・痛み、膿・出血、発熱
・主な治療：切開排膿術、瘻管切除術、括約筋温存術など 肛門疾患
排便障害（便秘・排便困難）
排便に時間がかかる、残便感がある、数日出ないなど、スムーズに排便できない状態を「排便障害」といいます。 水分や食物繊維の不足、運動不足、ストレス、加齢のほか、糖尿病や甲状腺機能低下症などの病気が原因となることもあります。
当院では、薬に頼りすぎず、生活習慣と腸の動きを整える治療を重視しています。 腸の動きを活発にする運動指導や、正しい排便姿勢の指導も行っています。
・主な症状：排便困難、腹部膨満、腹痛、便秘と下痢の繰り返し
・主な治療：酸化マグネシウムやルビプロストンなどの薬物療法、食事・姿勢・排便習慣の改善 排便障害
便失禁（便漏れ）
便を自分の意思でコントロールできず、意図せず漏れてしまう状態を便失禁といいます。 加齢による筋力低下、出産や手術による括約筋の損傷、糖尿病などの神経障害が原因となります。 「恥ずかしい」と思って相談を遅らせる方が多いですが、軽症の段階から治療を始めることで十分に改善が見込めます。
治療は、肛門トレーニングやバイオフィードバック療法などの保存的治療が基本です。 重度の場合は、外科的治療が必要になる場合があります。
・主な症状：不意の便漏れ、ガス漏れ、肛門の締まりが弱い
・主な治療：理学療法（肛門トレーニング）、薬物療法、神経刺激療法、手術治療 便失禁について
過敏性腸症候群（IBS）
IBSは、大腸に器質的な異常がないにもかかわらず、腹痛や下痢・便秘を繰り返す機能性疾患です。 日本人の約10〜15％が悩まされており、ストレスや自律神経の乱れ、感染後の腸機能変化などが関係しています。 症状は慢性的で生活の質（QOL）を損なうため、早期の診断と適切な治療が大切です。
腸の動きを整える薬や整腸剤、セロトニン受容体拮抗薬などを用い、ストレス管理や食事指導も併用します。
・主な症状：腹痛・腹部不快感、下痢・便秘、ガスや膨満感、ストレスでの悪化
・主な治療：生活改善、腸機能調整薬（イリボー®・コロネル®等）、プロバイオティクス、カウンセリング 過敏性腸症候群